サイトへ戻る

ストレス性高体温症について

先日、他病院の勤務中(内科の外来)で面白い方にお会いしました。

35歳の男性、来院理由は、転職後に微熱が続くこと。

特に微熱以外に自覚症状もないやせ型の男性。

診察での異常は体全体が硬いこと、手足が冷たいこと。

本人は人並みに寝ていて、食事はとっていると言われる。

ちなみに血液検査や画像検査では異常なし。

 

すなわち、いわゆる未病の方です。

以下、Drと患者さんとの会話。

私「体とっても固いと思いますが、自覚はありますか?」
患者さん「ありません」
私「この状態で痛みを感じたりぐっすり寝られないといったことはないですか?」
患者さん「そういえば・・2時間おきに起きていますね。でも寝てはいます。」
私「それはいつからですか?」
患者さん「昨年に転職してからです」
私「ちなみに熱は転職する前にありましたか?」
患者さん「ありませんでした」
私「では、転職してから発熱があったのですね。お仕事は何ですか?」
患者さん「介護の仕事です。」
私「それでは勤務時間は不規則ですね。」
患者さん「はい」
私「以前の仕事の勤務時間は規則正しかったですか?」
患者さん「はい」

の方の診断は、「ストレス性高体温症」です。

仕事が不規則になり、不眠やストレスがたまると、 交感神経の作用が強い、あるいは、睡眠の質が低下することで、体熱が放出されにくいために熱が下がりません。

手足が冷たく、また、顔の表情は感情に乏しいことが多いです。

患者さんは熱があるので心配でこられますが、検査しても異常はないので、病院をたらいまわしにされるケースです。

自律神経の乱れが原因ですから、それを改善するその方なりのリラックス方法を見つけて実行するのが治療になります。